インプラント手術を含む外科手術を成功させるために必要な最初の3つのポイント

インプラント手術を含む外科手術において、明視野の確保は非常に大切です。これまでに、インプラント手術を含む外科手術を指導させてもらう時は、このことを第一に指導させてもらいます。
インプラント手術における明視野の確保は、通常の歯科治療と異なる面があるため、外科手術になれていないと、このことはしばしばこのことは見過ごされているように思います。
ポイントは
1、広い術野で十分な器具のアクセスを確保する。
2、十分な光量を確保する。(拡大鏡を用いるとさらに良い)
3、外科術野における出血や唾液のコントロール

1、広い術野を確保することは、適切な軟組織のリトラクトにより、器具による偶発的な損傷を防ぎ、思いがけない事故を未然に防ぐことにつながります。
また、愛護的な手術操作により、術後の痛みや腫れも最小限に抑えることができます。そのために、切開線は解剖学的なものや、手術計画によりそれぞれ考慮される必要があります。

2、現在では拡大鏡+ヘッドライト(LED)がもっとも視野の確保と十分な光量をえられます。総合病院の中央手術室等には大きな無影灯が設置されていますが、それよりも現在では拡大鏡+LEDの方が勝っていると感じています。
拡大鏡もそれぞれありますが、当院で使用しているdesign for visionのものがもっともインプラント手術を含む外科手術を行う上でもっともすぐれていると思います。
ちなみに、当院で使用している拡大鏡はアメリカの外科医(心臓外科医や脳外科医等)が使用しているものと同じものを使用しております。

3、外科手術において、血液などを適切に吸引しコントロールすることは、高精度な手術を行う上で欠かせません。専用の外科用吸引管を用いて、熟練したアシスタントの存在が大変重要となります。

インプラントの適切な手術のタイミング

現在、インプラント治療は数多くの科学的根拠を集積した結果、確実性が高いことが証明されており、欠損補綴の選択肢として確固たる地位を確立している。
近年では、治療期間の短縮を目指して、抜歯即時インプラント埋入(抜歯と同時にインプラントを埋入)に関する基礎研究、臨床研究が盛んにおこなわれ、臨床でも抜歯即時インプラント埋入がおこなわれている。

しかし、抜歯即時インプラント埋入を行うと、以下のようなことが怒ることが研究から報告されている。

1、抜歯後に起こる骨吸収を抑制せず、通常治癒よりも骨吸収が進む可能性があり、唇側で起こる垂直的な骨のリモデリングを阻害する可能性が高い
2、唇側思想超の最歯冠側の骨高さと幅の吸収を通常の抜歯窩と比較して促進する傾向にある
3、連続多数歯抜歯後に一本のインプラントを即時埋入した場合、抜歯本数が増えるほどインプラント周囲骨の骨吸収はインプラント全域にわたって大きくなる
4、抜歯窩と埋入されたインプラント間のギャップ、ならびに頬側骨壁概則に脱たんぱく骨ミネラルを填入して、メンブレンで覆っても、唇側における組織量を維持することができない

また、近年の文献からも即時インプラントまいにゅはその他の時期における埋入と比較して、「束状骨のみで支持されている領域は必ず減少する」こと、「高頻度に軟組織の退縮が怒る可能性がある」こと、ならびに「インプラントの失敗率が高い」ことが分かっている。が、一方で「即時インプラント埋入における辺縁骨の吸収程度は同じである」こと、ならびに「術後の感染合併症に差異はない」ことがわかっている。

さらに、早期埋入におけるインプラント周囲骨組織の安定性は、遅延埋入におけるそれよりも優れている可能性があることと、埋入と同時の骨造成に関する早期埋入の優位性と軟組織の必要性を鑑みて、非審美領域であれば、条件が許せば即時インプラント埋入は可能だが、一般的に審美領域ではリスク(不安定要素・不確実性)を伴うため、早期埋入を行う方が確実性は高いと考えられている。審美領域の抜歯即時埋入は術前の診断が非常に重要で、症例によりインプラント埋入時期を選択する必要があります。

まとめ
1 抜歯即時インプラント埋入はその他の埋入時期と比較し、インプラントの失敗率と有意に関連する
2 単独インプラントの場合、早期・遅延・後期埋入におけるインプラント生存率は、埋入後10年でも同程度に高い
3 即時インプラント埋入は束状骨の吸収を抑制することはできないと考えられるが、インプラント周囲における辺縁骨の吸収程度は、治癒した歯槽堤に埋入されたインプラント周囲の辺縁骨の吸収程度と同じである。
4 単独インプラント埋入の場合、早期・遅延・後期埋入におけるインプラント周囲の辺縁骨吸収は、唇側でも口蓋側でも同程度である。
5 早期と遅延埋入におけるインプラント周囲骨を比較すると、早期の方がインプラント周囲骨の高さと幅の減少量が小さく、歯槽骨を温存できる可能性がある。
6 早期埋入におけるインプラントと同時の骨造成は、遅延におけるそれと比較し、その効果が高く現れる。
7 早期および遅延埋入と比較して、抜歯即時インプラント埋入は唇側中央部における1mm以上の軟組織の退縮のリスクと大きく関係している。
8 骨移植をともなう即時インプラント埋入では唇側骨壁が高頻度で喪失し、さらなる軟組織の退縮に関与する。一方、GBRを同時に行った早期および遅延埋入では、唇側骨壁はあまり喪失しない
9 遅延埋入におけるインプラント周囲軟組織は、早期におけるそれと比較して、角化粘膜が熱く、粘膜の退縮が少なく、近遠心の乳頭組織の高さがあり、量も多い傾向にある。
10 即時インプラント埋入とその他の埋入時期における術後の感染症合併症は同程度である。
11 単独インプラント埋入の場合、早期・遅延・克巳埋入における生物学的合併症は同程度である。

*埋入時期に関する定義
即時インプラント埋入(type1) 抜歯と同時にインプラント埋入
早期インプラント埋入(type2)抜歯後1-2か月以内でインプラント埋入
遅延インプラント埋入(type3)抜歯後3-4か月以内でインプラント埋入
後期インプラント埋入(type4)抜歯後4か月以上でインプラント埋入

歯周病患者に対するインプラント治療のリスク

歯を失う原因として最も多いのは歯周病です。

歯周病は、細菌と免疫との相互関係ををリスク因子が修飾する多因子性の細菌感染症で、

かみ合わせや喫煙などのリスク因子も歯周病に大きく関与しますが、大切なのは細菌なくして

歯周病は発症しないということです。

歯周病患者さんに対するインプラント治療のリスクに関しては、数々の文献から、慢性歯周炎が直接

インプラント周囲炎のリスクになることは少ないといわれている。

一方、侵襲性歯周炎では治療終了後にインプラント治療にインプラント治療を行っても、骨の経時的吸収が

健常者や慢性歯周炎治療後の患者さんより優位に大きいこと、また慢性歯周炎であっても歯周炎が重症であるほど、

インプラント荷重後の骨吸収量が有意に大きいことが報告されています。

さらに、一口腔内において、天然歯とインプラント周囲の細菌感染叢は近似していること、インプラント周囲炎からは

天然歯と同様に歯周病細菌が検出されやすいことなども文献から明らかにされています。

これより、歯肉炎および慢性歯周炎患者さんにおいては、的確な歯周治療によって歯周炎が完治または適切にコントロール

され、歯周病原細菌が存在しない、もしくは基準値を下まわってリスクがほとんどない状態であれば、インプラント治療の

予知性に与える負の影響は少ないといえるでしょう。

侵襲性歯周炎患者さんでは、たとえ歯周炎が十分にコントロールされたとしても、骨吸収が怒る可能性がある。

また、いずれの場合にも、歯周治療をなさないままインプラント治療に移行することはエビデンス的にあってはならない。

 

 

インプラントブログ始めます。

これからインプラントに関するブログを更新していきます。

 

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