今回は前歯や奥歯のインプラント治療で、大きく骨が足りない場合の「チタンメッシュ」という骨の移植方法について
詳しくご紹介いたします。実際に当院で行った症例の写真もありますので是非ご覧ください。
【目次】
1チタンメッシュとは
2チタンメッシュの流れ
1チタンメッシュとは
歯科の領域において主に骨造成法で使用する薄いメッシュ状のチタン製の膜です。
代表的な使い方としては、骨膜を剥離して露出させた欠損部位に人工の骨補填材を
補填して吸収性メンブレンで覆い、その上に適切な大きさにトリミングした
チタンメッシュを設置してスクリューで固定し、歯肉を縫い合わせます。
チタンメッシュは硬さがあるため再生させたい所定の部位に対してしっかりと
した形態付与ができること、メッシュ状のため、豊富な血液の供給を得ることができます。
特に大きな骨欠損への適応が有効であると言われています。
2チタンメッシュの流れ
【1次手術~骨の移植とインプラント埋入~】
- 歯茎の切開をし、剥離(はくり)します。
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- 骨の高さをそろえるため、ピエゾサージェリーにて骨を削合します。
- 専用のノミを使って、細い部分の骨を割って広げます。(スプリットクレスト)
- 専用のステントを用いてCTにてシミュレーションした部分にインプラントを埋入するための穴をあけ、拡大します。(ドリリング)
- インプラント体をドリリングした部分に埋入します。
- チタンメッシュは骨を移植する部分に適当なサイズに切り取り、適合を確認します。
- 人工の骨補填材に採血した血液を合わせ不足している部分に移植を行います。
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- 移植した部分の骨をチタンメッシュにて覆い、スクリューで骨に固定します。
-
- 場合によって、吸収性のメンブレンにて移植した部分の骨を覆います。
- 歯茎を綺麗に縫合するため、減張切開という特殊な切開を加えて、歯茎の弁を伸ばします。
- 歯ぐきを縫合します。
【術後】
- 手術の翌日、傷口の消毒を行います。
- 手術から1週間~10日後で縫合した糸を取ります。
- 移植した部分の骨とインプラントが自分の骨と結合するのを待ちます。2次手術までの4ヶ月の間は、1ヶ月に1回の間隔で全体のクリーニングとインプラント部分の確認を行います。
【2次手術~チタンメッシュの除去~】
- 歯茎を切開し、剥離(はくり)します。
-
- チタンメッシュを除去します。固定していたスクリューを外し、移植した骨の骨造成の状態を確認します。
- インプラントのキャップを直径が長いものに交換し、歯茎との貫通部をつくります。
- 再度、縫合を行います。
- 手術後は、翌日の消毒・1週間後の糸取りを行います。
- 2次手術より、2週間後にインプラントの型取りを行います。
- 型取りから2週間後にインプラントの最終的な上部構造が出来上がります。
【定期的な検診】
チタンメッシュを併用したインプラント治療の場合も、自分の歯と同様に3ヶ月ごとの
定期検診にてインプラントの部分の確認と専用の機械を用いたクリーニングを行います。
インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病にはなります。治療が終わったあとも
インプラントが長持ちするよう、ぜひ定期検診に通いましょう!
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