透析患者さまへの口腔ケア

今回は透析患者さまについて、詳しいお口の中のケア方法をご紹介致します。

【目次】

1透析患者さんについて知ろう!腎臓とはどんな臓器なのか?

2透析患者さまの口腔ケア

3透析患者さまへの口腔ケアにおける留意点

4口腔ケアを行う際のおもな使用物品

5口腔ケアの流れ

 

 

1透析患者さんについて知ろう!腎臓とはどんな臓器なのか?

腎臓は左右1個ずつ、腰のすこし上の高さにあります。

重さは各120~150gほどの臓器で、血液をろ過して尿を生成します。

尿生成の過程で体内の老廃物を排泄したり、水や電解質を調整する役割を担っています。腎臓の構造のなかで重要なのは、糸球体とよばれる血液をろ過する場所で、フィルターの役割を行っています。一度ここに炎症が起こると、本来は漏れるはずのないタンパクが血中から尿中に漏れ出ることになり、その結果、糸球体を含め腎臓全体の繊維化が進み、慢性腎臓病に移行していきます。

 

2透析患者さまの口腔ケア

患者さまの全身状態は、寝たきり状態や重度の認知症、看取り段階などさまざまです。今回はその中でも、透析の病院に入院されている患者さまの口腔ケアについてご紹介します。

透析患者さまの口腔内の状態

慢性腎臓病(CKD)患者さまの場合、CDKによる骨代謝異常が口腔内にも認められ、歯槽骨破綻を促進するため歯周病が重症化しやすくなります。

さらに透析療法を受けている場合は、唾液腺の萎縮や降圧薬や鎮痛薬などの薬の副作用により、唾液の分泌量が低下し、デンタルプラークや歯石が沈着しやすくなっています。

また、糖尿病の進行によって発症する糖尿病性の腎症の場合、歯周病がさらに悪化する傾向があります。

 

3透析患者さまへの口腔ケアにおける留意点

透析患者さまはCKDの悪化による脳血管障害や合併症など複数の疾患を有していることも多いです。また糖尿病の合併症などによって壊死に至り下肢を切断していたり、移動制限がされていたり、さまざまな問題を有しています。そのため患者さまの個々の症状や体調に合わせて口腔ケアを進めていきます。

透析当日に口腔ケアをする場合は、その時間や体調に特に配慮が必要となります。ヘパリンなどの抗凝固薬を使用されているため、出血傾向となっています。終了時には脱水状態となり、倦怠感が強く認められます。スケーリングなどの観血処置を行う場合は透析日を避けた方がいいでしょう。

口腔ケアに関する安全安楽など基本的なことはほかの患者さまと同じです。

  • 口腔ケアを行える体勢や場所を整え、患者さまの全身状態を確認していきます。

(上肢にシャントが構築されているため、圧迫させないよう注意が必要です。また、下肢を切断している患者さまは体幹の維持安定が難しく、車椅子などからの前傾姿勢をとることによりバランスを崩し、転倒や転落の危険性があります。切断側に身体が傾くため、枕や毛布などで支え、場合によっては洗面台ではなく、ガーグルベースンなどを用いて含嗽をしていただきます。)

  • 透析患者さまは腎不全による免疫低下や長期の透析により感染の機会が増大するなど、易感染性の状態です。

(感染症に対する抵抗力が弱く、創傷治癒が悪い傾向がみられ、口腔ケアをするときに歯肉や粘膜を傷つけないような注意が必要となります。お口の中の清潔を確保するとともに、お口の粘膜や唇の乾燥対策を行うことも大切です。お口の中が乾燥しているときに入れ歯安定剤を使うと、入れ歯が口蓋粘膜に張りついて取り外しが難しくなることがあるため、入れ歯安定剤や洗浄剤の使用は注意する必要があります。

 

4口腔ケアを行う際のおもな使用物品

 

①バイトブロック②開口器③ハブラシ類

  • スポンジブラシ
  • 清拭用ウエットティッシュ
  • ガーグルベースン
  • デンタルミラー
  • 歯科用ピンセット
  • 吸引管
  • 保湿剤

5口腔ケアの流れ

透析患者さまは全身的な病状の把握が必要不可欠となるため、栄養や食物形態、摂食嚥下障害、誤嚥などについても情報を把握する必要があります。

看護師や介護職、管理栄養士、言語聴覚士、社会福祉士、相談員などと情報共有をしながらすこしでも口腔の清潔が管理できるように、口腔ケアを進めていきます。

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歯みがき、力を入れすぎていませんか?

「歯の汚れが落ちるように、しっかりみがこう」と思うと、ハブラシを持つ手にもつい力が入りがち。

けれども、みがく力が強すぎると“オーバーブラッシング”となり、歯の健康を守るうえでは逆効果!歯茎が縮んで後退する「歯ぐき下がり」の原因にもなるのです。歯ぐき下がりは加齢に伴って増える傾向にあり、30代から増え始め、40代では実に8割の人に見られます。歯ぐきが下がり、歯に根元の象牙質がむき出しになると、根元むし歯(=根面う蝕)のリスクも増大してしまいます。

歯みがきの適切な力加減は150~200g程度。歯に当てた歯ブラシの毛先が開かないくらいの軽い力です。毛先がきちんと歯面に当たれば、歯垢(プラーク)を効果的に落とすことにもつながります。料理用の秤があれば、実際にハブラシを当てて動かし、力の入り具合を確認してみるのも良いでしょう。

【目次】

・「歯ぐき下がり」は40代で8割以上!

・無防備な象牙質が菌や酸に狙われる!

・根元むし歯になるリスクは3倍!?

*ハブラシの毛先がすぐ開く!?

・「歯ぐき下がり」は40代で8割以上!

加齢や歯をみがく力が強すぎる習慣などさまざまな原因が引き起こす「歯ぐき下がり(=歯肉退縮)」は、30代から発現者が増加。40代で80~90%、50代以上では、ほぼすべての人に歯ぐき下がりが起きているという調査報告もあります。

歯ぐき下がりの自覚症状には「食べ物が歯にはさまる」「歯の根元がしみる」などが挙げられます。下がってしまった歯ぐきを元に戻すのは難しいので、「もしかして…?」と気づいたときから適切なケアをすることが大切です。

・無防備な象牙質が菌や酸に狙われる!

歯ぐきが下がると、それまで歯ぐきに守られていた根元の象牙質が露出してしまいます。象牙質は、歯冠部(歯ぐきから上)を覆っているエナメル質に比べてとってもデリケート。硬さはエナメル質の4分の1未満なうえ、酸に弱くて溶けやすい性質です。この弱い部分がむき出しになって菌や酸にさらされると、むし歯リスクも増大します。

・根元むし歯になるリスクは3倍!?

実は、歯ぐきが下がることによって歯の根元が露出している人は、そうでない人に比べて、「5年後に根元むし歯(=根面う蝕)になるリスクが3倍高い」と言われています。加齢に伴って増加傾向にある根元むし歯は、「気づきにくく」「進行が早い」のが特徴。自覚症状がない人も多く、気づいたときには重症化していることもあります。

根元むし歯を防ぐにはまず、歯ぐき下がりを予防すること。みがく力が強すぎる場合も歯ぐき下がりの原因になるので、歯科医院などで適切なみがき方の指導を受けて習慣にしましょう。

また、露出し始めてしまった歯の根元のむし歯予防にはフッ素(フッ化物)が有効です。歯ぐき下がりが気になる人にも、フッ素配合のハミガキ剤はオススメです。

*ハブラシの毛先がすぐ開く!?

それは力の入りすぎかもしれません。裏から見て毛先が見えるようであればすぐに交換しましょう!わずかでも開くと効果的に歯垢を落とせません。月に一度はハブラシ交換を!

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オーラルフレイルとは?その2

前回ご紹介した『オーラルフレイル』について今回も詳しくご紹介していきます。

【目次】

・負のスパイラル

・さまざまな影響を与えるオーラルフレイル

・負のスパイラル

高齢になると社会的な役割が少なくなり、身体機能の低下も伴って意欲が低下します。

意欲の低下はお口の健康への関心を低下させ、定期的な歯科検診を止めたり、セルフケアがおろそかになったりします。これにより歯周病が悪化したり、虫歯が増加したりすると痛みが生じます。また歯を失ってしまうことで、咀嚼しなくてもすむような軟らかくて食べやすい食事を好んで食べるようになります。

咀嚼を必要としない食事はさらに咀嚼機能を低下させるだけでなく、味覚、食感、風味などが損なわれるため、食の楽しみが減り、食欲も減退してしまいます。

これらは会話や外食の機会を減らし、滑舌が悪くなったり、食べこぼし、わずかなむせ、噛めない食品が増えるなどお口の衰えが加速するようになります。

さらに、好物が食べにくくなったり、お口の中に痛みがあったりすると、食欲はさらに低下し必要な量の食事が摂れなくなり、栄養のバランスも悪くなるなど栄養状態が悪化していきます。

 

 

このような状態が長期間続くと必要な栄養素が枯渇し、筋肉など身体の組成や免疫や代謝などの機能を保つことが困難になって死のリスクが高まっていくという悪循環に陥ってしまいます。

 

・さまざまな影響を与えるオーラルフレイル

このような意欲の低下、栄養状態の悪化、筋肉の減少を経て最終的に生活機能障害に至るといった栄養からみた虚弱型フローが平成25年度の老人保健健康増進事業の研究班より提唱されました。この概念図のなかで口腔の機能低下はオーラルフレイルと表現され、平成27年3月に日本歯科医師会が開催した「世界会議2015-健康寿命延伸のための歯科医療・口腔保健」のなかで紹介され、「8020運動」に加えたオーラルヘルスプロモーションとして啓発活動が行われることになったのです。

そして飯島らが千葉県柏市在住の高齢者約2000人を対象に行った4年間の縦断調査によって、フレイルとの関連があるとされる要介護状態や死亡の発生だけでなく、フレイル自体の発生、さらにはサルコペニアの発生に関してもオーラルフレイルが関連していることが明らかにされ、さらにオーラルフレイルが注目されるようになりました。

この結果はフレイルや、身体能力の低下に先立って、オーラルフレイルが生じていることを示唆しているだけでなく、フレイル、サルコペニア、要介護状態、死へと進行していくなかでも、オーラルフレイルが影響している可能性も示しています。つまり、オーラルフレイル対策は健康なときやフレイルの状態にあるときだけでなく、要介護状態になっても重要ということになります。

平成30年度からその対策が本格的に導入されることになったフレイル自体の発生にオーラルフレイルが関連していたという結果、しかも日本の高齢者において口の衰えが先に生じて、フレイルや筋肉の減少に象徴されるサルコペニアの発生につながっているということ。

さらにフレイルと同様に、要介護状態や死亡の発生との関連もみられるということは、歯科関係者だけでなく、医療福祉関係者に大きなインパクトを与えるものとなったのです。

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オーラルフレイルとは

『オーラルフレイル』は8020運動を基礎とした口腔の健康啓発運動の新たなスローガンです。

これは活舌低下、食べこぼし、わずかなむせ、噛めない食品が増えるなどのお口の些細なトラブルから始まるため、早めに気づき対応することが大切です。これらのさまざまな口の衰えは身体の衰え(フレイル)の一部です。

 

【目次】

・口腔の健康の現状

・自然な衰えとの違い

・最初の一歩は、気づき行動変容すること

 

・口腔の健康の現状

80歳で20本自分の歯を有している人、つまり8020運動の達成者はすでに2人に1人と5割を超えています。さらに平均寿命が男女とも80歳を超えた現在、自分の歯の数だけでなく80歳でも不自由なく快適に食事を摂ることができ、口元の容姿に自信をもって楽しく会話できることが、お口の健康の指標であると考えられるようになってきています。

こういった状況を踏まえ、高齢者の口腔の健康を支えるためには、自分の歯の数を維持することに加えて、口の動き(口腔機能)の衰えを軽視しないことの重要性が注目されオーラルフレイルという概念が提案されました。

オーラルフレイルは直訳すると『口の虚弱』ですが、このようなお口に関する些細な衰えを放置したり、適切な処置を行わないままにしたりすることで、口の機能低下、食べる機能の障害、さらには心身の機能低下までつながる負の連鎖が生じてしまうことに対して警鐘を鳴らした概念でもあります。

具体的には、日常生活における口の些細なトラブル(滑舌低下、噛めない食品の増加、むせ、口元の容姿や口臭が気になるなど)を放置、(もしくは軽視)してしまうと、これらの状態は相互に悪影響しあってさらに悪化していき、食欲や意欲が低下したり、コミュニケーションの機会が減ったり食事のバランスが悪くなって、栄養に偏りが生じたりします。さらに、口の機能低下(咬合力の低下など)が生じ、低栄養、サルコペニア(筋肉減少症)のリスクが高まり最終的に食べる機能の障害を引き起こします。

 

・自然な衰えとの違い

このような日常生活におけるお口の些細なトラブルは誰しもが避けられない老化としてとらえることもできます。しかし、自然な衰えである口の老化とオーラルフレイルの違いは、オーラルフレイルが食欲や意欲の低下、会話や外出、外食の減少、さらには活動範囲の狭小化、社会的問題(うつ、認知機能の低下)と複合して生じる不自然な衰えであることです。

しかし、これらお口の些細なトラブルは早期に適切な対応を行えば元の健康な状態に戻ることが可能です。反対に放置してしまうと生理的老化に加え、さまざまなお口の機能の低下、それに関連する社会的問題、精神心理的問題が相互に悪影響しあって、お口の機能の低下が加速度を増して進んでしまいます。この点が自然な衰え(老化)とオーラルフレイルとの大きな違いです。

 

・最初の1歩は、気づき行動変容すること

以上のことを踏まえ、東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授を中心とした神奈川県オーラルフレイルプロジェクトチームではオーラルフレイルを以下のように定義しています。

『老化に伴う様々な口腔環境、歯数および口腔機能の変化、さらに心身の予備能力低下も重なり、口腔の健康障害に対する脆弱性が増加し、最終的に食べる機能障害へ陥る一連の現象および過程』

このようにオーラルフレイルは、これまで老化、廃用として解釈されていたお口の機能低下を可視化したモデルといえます。お口の機能低下および食べる機能の障害は、オーラルフレイルの概念を構成する一要因として位置づけられます。

多くの人は加齢とともに低下する運動機能、栄養状態、生活能力を避けられない老化とあきらめ、自ら活動範囲を狭めたり、食べにくいものを避けたりしがちです。お口まわりの些細な衰えから始まる現象を見過ごしていると、自覚しないまま悪循環に陥り、やがて食欲が低下し、低栄養状態に至ります。こういった口腔に関連した“些細な衰えを自分ごと”とし、行動変容につなげることが、オーラルフレイル対策の最初の一歩となります。

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歯の移動は治るのか?!

 

皆さん、PTMという言葉を聞いたことがありますか?

PTMとはPathological Tooth Migration の略で『歯の病的移動』のことをいいます。

PTMを起こす因子として右の3つの要素などがあげられ、これらに起因して歯の傾斜・歯間離開・挺出といわれる変化が起こります。ではPTMが起こった歯にはどのように対応すればよいのでしょうか?下の初診時の情報から、まずはどのような力が加わってPTMが起こったのか考えていきましょう。Aさんの左上の1番目の歯とBさんの左上の7番目の歯は、どちらも以前は隣の歯と接していたようです。

 

【目次】

・原因と対応~その①

・原因と対応~その②

・まとめ

 

・原因と対応~その①

まず、PTMが起こる過程をわかりやすくイメージしてみましょう。PTMは歯周病の進行度が大きくかかわりますが、最初に説明した因子が多因的に作用し、時間をかけながら歯の移動が起こります。つまり、支持骨の減少により「動きやすく」なり、「スペース」のある方向に「力」がかかりながら移動が起こります。

Aさんの左上1はなぜ、このような移動をしていたのでしょうか?歯周ポケットが深く、スペースのある唇側に傾斜している・・・これはまさしくPTMです!

では「力」はどのように加わっているのでしょうか。移動している方向をみると舌側から力がかかっています。下の前歯や舌による力があやしいです。

そこでPTMを起こしている左上1について

  • 歯周基本治療
  • 下顎前歯部の形態修正・舌癖指導
  • 部分矯正

の方法で改善を図ることとしました。さっそく経過をみてみましょう!

担当歯科衛生士の歯周基本治療により歯肉の炎症が改善された後、部分矯正を行っています。初診時より9年後のAさんのお口の中の状態が図3です。

ブラックトライアングルの改善のために充填したレジンの変色が認められるほか、審美的な問題は残っていますが、歯周組織ならびに歯の位置は安定しています。AさんのPTMに対しては「歯周治療と矯正治療」を行いました。

・原因と対応~その②

・Bさんはどのように対処したのでしょう。「左上に物が詰まる」ことを主訴に来院したBさん。

初診時の写真から左上6と左上7の間にコンタクトロスが起こっています。左上7の近心に深いポケットが認められ遠心にスペースがあります。これは、近心方向から力がかかっていると考えられます。ほかの資料もみてみましょう。口腔内写真からオープンバイトが認められます。想像していたとおり、側方運動の際に臼歯部が強く干渉していました。レントゲン写真からはプロービング値以上の骨欠損像が認められます。

全顎的な矯正治療は拒否されたため、PTMを起こしている左上7について

  • 歯周基本治療
  • スプリントと咬合調整
  • 歯周外科治療

で改善を図ることとしました。

それでは、経過をみていきましょう。左上7の近心は歯周基本治療後も深いポケットが残存したため、外科治療を選択しました。またスプリントを継続して使用していただき、必要部位に咬合調整を行うことで咬合の安定を図りました。

図5は、Bさんの初診時と7年後の比較です。近心のコンタクトが自然に回復しています。歯周組織の安定・力のバランスによって、歯が元の位置に戻りました。歯の移動する量によっては矯正の力を借りなくとも歯の位置異常は治るのですね。

 

・まとめ~歯の病的移動を治すために必要なこと

『歯の移動は治るのか?!』とテーマに2つのケースをみていただきました。大切なことは、

  • 炎症のコントロール
  • 力のコントロール

“PTM”はとてもダイナミックな変化のようにみえますが、基本的なことをしっかりと行うことで改善が図れることも多いです。力のかかる方向を観察し、ご自身の口腔習癖を見つけ出し、炎症のコントロールを行う。もちろん外科治療や矯正治療を行わず歯周基本治療と咬合調整だけで改善することもあります。歯周基本治療で歯肉・骨吸収だけでなく、歯の移動までも回復することができるとは、おそるべし身体の変化です!

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お口の中と乳酸菌のはなし

今回はお口の中やカラダの免疫力を高める『乳酸菌』についてご紹介します。
乳酸菌は食べ物からも摂取することができますが、現在では乳酸菌のサプリメントも多くでており、
お口の中とカラダを乳酸菌によってより健康な状態にしようという活動が行われています。
私たちななつ星デンタルクリニックのスタッフも、オーラルケアから出ている『ラクデントプロ』という
小腸に特化乳酸菌 サプリメントを使用して免疫力を高めております。
現在ではコロナウイルス対策としても、このような乳酸菌による免疫力の向上が薦められております。

【目次】
・口腔と乳酸菌の関係
・目的に合った乳酸菌を選ぶ
・殺菌剤と併用しない
・習慣的に摂取する
 
・口腔と乳酸菌の関係
お口の中におけるプロバイオティクスの働きとして、微生物やプラーク(細菌のかたまり)への直接作用と口腔組織や全身への間接的作用の2つが考えられます。
《直接的作用》
細菌同士や細菌とタンパクとの結合への作用によるバイオフィルムに対する影響や、ほかの細菌との栄養素の競合、病原菌に対する抗菌物質の産生などがあります。
《間接的作用》
局所や全身の免疫機能の賦活化や細菌透過性の制御による口腔粘膜組織への病原菌の侵入防御、口腔フローラの改善などがあります。
 

・目的に合った乳酸菌を選ぶ
ヒトのお口の中には膨大な数の細菌を含む口腔フローラが共生しています。
*口腔フローラとは:お口の中に多数生息している細菌や微生物の細菌叢のこと
この口腔フローラのバランスの異常はdysbiosisとよばれ、むし歯、歯周病、口臭などの口腔疾患に限らず多くの疾病との関連が示唆されています。プロバイオティクスとして利用する乳酸菌に期待するのは、こうしたバランスの異常(dysbiosis)を是正して(symbiosis)に戻すことです。ところが乳酸菌にもまた複数の菌種や菌株があり、種類によって作用や性質が違います。

 
・殺菌剤と併用しない
プロバイオティクスは生きた乳酸菌を作用させる方法です。殺菌・抗菌成分を配合した口腔ケア製品を使用すると口腔内細菌とともに乳酸菌も殺菌・抑制され、十分な乳酸菌の効果を得られなくなります。
 

・習慣的に摂取する
乳酸菌が作用するのは経口摂取から排便までの間であり、口腔内や腸内に定着し、増殖することは基本的にないと考えられています。プロバイオティクスの目的は、摂取した乳酸菌を定着させることでなく、繰り返し口腔フローラや口腔粘膜に乳酸菌を触れさせることで、もともと存在していた口腔有用菌を増やし、免疫を高めることにあります。つまり、乳酸菌の効果を得るためには習慣的に摂取することが大事なのです。

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健康に気を使った食事とむし歯

40代のBさんは全身疾患や飲んでいるお薬に問題はないけれど、治しても治しても虫歯ができてしまいます。お口の中を検査するとセルフケアの状態はよく、定期的に検診にも通っているのですが、歯肉の発赤や出血がなかなか改善しません。

では原因はどこにあるのか考えていきましょう。

【目次】

・カラダづくりの裏に秘められた糖質

・まとめ

 

・カラダづくりの裏に秘められた糖質

Bさんにお話を伺いました。すると来月国際マラソン大会に参加をされるそうで、最近はとても食事に気を使っているとのことでした。お口の中と食生活になにか関連があるのではないかと思い、気になったので早速Bさんに食事についての質問をしました。

 

Q.走っているときの水分補給はどうしていますか?

A.脱水にならないように圧倒的にスポーツドリンクが多いです。水も多少飲みます。

 

Q.食事で気をつけていることはありますか?

A.スタミナです。エネルギー源は大事なので、果物は日常的にたくさん摂るようにしています。朝食は野菜と果物で、果物をメインにしています。マラソン大会のテレビを見ているとエネルギー補給にバナナを食べているのをみて、バナナを中心に、りんご、いちご、みかんなど果物全般を多く食べています。

 

この質問のお答えから、私たち歯科衛生士が気づいたことがあったのでご紹介します。

スポーツドリンクや果物は糖分が多いので摂りすぎるとお口の中にも影響が出てきます。

そのため、スポーツドリンクは砂糖が少ないものにしたり、果物の代わりに米やパンなどの主食を増やして、主菜、副菜をバランスよく食べてスタミナ面をカバーしていくのもいいかもしれません。

 

・まとめ

いわゆる生活習慣病は、カラダにとって悪い習慣が原因となっていることが多いものです。しかし、Bさんのようにカラダにとってよいと思っていた習慣から偏りが生まれ、お口の中にも影響が出てきてしまうこともあります。

Nさんはスポーツ時のエネルギー補給のためにバナナを常食されており、ほかにも果物の摂取が多くありました。また、日々の食事では主食となるお米やパンなどは少ない状態でした。果物はさまざまな栄養素が含まれていますが果糖も多く、砂糖量が多いスポーツドリンクと合わせると糖の過剰摂取となり、これが歯茎の発赤やむし歯ができる状態につながっていると考えられます。

スポーツドリンクや果物の摂取はマラソンのために良いと思って続けていることなので、そのマラソンに影響がでないよう食事のメニューを歯医者でも一緒に考えていきましょう。

若い患者さんに隠れた栄養問題

【目次】

・歯肉の改善の背景にある食生活の変化

・誤ったやせ願望が太りやすいカラダをつくる!?

・“健康のために”の落とし穴を回避するには…

・まとめ

・歯肉の改善の背景にある食生活の変化

Aさんは20歳の女性です。これまでは製菓学校の学生で、1年半ぶりに社会人になってから初めての定期検診にお越しいただきました。お口の中をみてみると下の写真のような状態でした。初診時はまだ20代であるのに、歯周病が進んでいてブラッシングも頑張っているのに落としきれないベタベタしたプラークが残り、なかなか改善がみられませんでした。しかし、先日久しぶりに検診でお口の中を見せていただくと、赤くパンパンに腫れていた歯肉がだいぶ落ち着いてパッと見ても歯の輪郭がはっきりしてきました。

セルフケアの習慣は大きくは変わってないようですが、食生活についてお話したところ1年前に就職してパンやお菓子を間食として食べる習慣がなくなったと言ってみえました。また、同じ時期に矯正装置も外れて矯正治療中は食べづらかった“ごはん”も食べるようになったそうです。

ごはんはパンや麺に比べて何種類かのおかずを合わせて食べることが多いので、栄養のバランスがとりやすいです。いろいろなものといっしょに食べる分、自然と血糖値を上げにくい食事になります。一方、パンや麺が中心の食事は単品で済んでしまうことが多いのでタンパク質を含む食品や野菜が少なく糖質に偏りがちな食事になるという特徴があります。

Aさん自身、ごはんを食べるようになっていろいろなおかずを食べる機会が増えたと話していました。学生時代は、授業の試作品(パン、ケーキ、焼き菓子など)を食べているのもあって、かなり糖質(炭水化物)や脂質が多かったですが、①間食がなくなったこと②ごはんを食べるようになり、以前よりもタンパク質やその他の栄養素も摂れるようになったことが大きな変化といえます。

 

・誤ったやせ願望が太りやすいカラダをつくる!?

昨今では“糖質制限”ダイエットが流行っています。管理栄養士の方にこのダイエット法について聞いてみると、なんと!“糖質制限は安易には勧められない”とのことでした。特に若い女性に多いのですが、“太りたくない”“健康にいい”と思って、普段からごはんなどの主食を抜いてしまうケースがありますが、実は思わぬ不調を招くことにもつながります。まず、原則として体重の増減は“摂取カロリーと消費カロリーの差”です。消費している量よりも多く食べていれば太ります。逆に、食べている量よりも多く消費していれば痩せます。適正な体格というのはBMIという指標が1つの目安になります。一度自分の適性な体格を調べてみましょう!判定が『肥満』の場合は多少なりとも食生活で糖質を制限する必要がありますが、『やせ』や『標準』の場合は極端に減らす“糖質制限ダイエット”はカラダの不調を招く恐れがあるということを覚えておきましょう!

 

・“健康のために”の落とし穴を回避するには

太りにくいカラダにはもう一つポイントがあります。それは“筋肉量”です。筋肉が多いと基礎代謝がアップして太りにくくなります。例えば体脂肪率が35%と高めで体格は痩せていても、この場合は体脂肪の割合でみると肥満気味です。これは筋肉量が少ないために、割合として脂肪の割合が高く出ている、いわゆる“かくれ肥満”の状態です。筋肉量が少ないと、太りやすい体質につながることも覚えておきたいポイントです。

日本人の20代女性の5人に1人が“やせ体型”といわれています。

“やせ”やカロリー不足状態が続くと貧血や無月経、冷え、骨粗鬆症、若年性更年期障害やサルコペニアのリスクが高まるほか、将来の妊娠・出産にも影響が出ることが危惧されています。

特に妊娠した場合胎児が育たず小さく産まれてしまう“低出生体重児”の増加は女性のやせと関連していると考えられています。低出生体重児で生まれた赤ちゃんは、大人になったときに生活習慣病にかかりやすいと考えられています。

 

・まとめ

健康なカラダは、毎日3食バランスよくしっかり食べて、運動してつくる。これが王道です。

栄養バランスが悪くてカラダの免疫力が下がると、歯周病発症の危険度が上がり、進行しやすくなります。ただ歯周病のAさんのお話から“やっぱり糖質は減らした方がいい”と思いましたが、必ずしも糖質が悪いわけではなく食べすぎて他の栄養素とのバランスを崩しているのが良くないということがわかりました。お口の中だけではなく、生活習慣病である歯周病を予防するために食生活や運動についても含めて健康づくりをしていきましょう。

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悪性腫瘍はどれでしょう?

悪性腫瘍はどれでしょう?
・問題

この3つの写真の中で悪性腫瘍はどれでしょう?

・答え
A.口底部扁平上皮癌 

【目次】
・「がん」を疑おう
・そのほかの口腔粘膜症例
・これは悪性腫瘍でしょうか?
 
・「がん」を疑おう
「がんを疑う病変では、検査によって完全にがんを否定されるまで、“その病変にはがんの疑いがあること”を忘れてはならない」これは私たち歯科医師や歯科衛生士が口腔粘膜病変の診断において重要としていることです。
口腔領域の悪性腫瘍の90%は上皮性悪性腫瘍である「癌種」です。
そのほとんどが口腔粘膜上皮に由来する扁平上皮癌です。初期にはびらん、潰瘍、結節あるいは表面が顆粒状の隆起となり、白斑や紅斑が混在し、進行すると硬結を伴う腫瘍を形成するなど多彩な所見を示します。
明らかに浸潤した口腔がんは視診で「がん」と臨床診断しやすいですが、早期がんでは白板症、扁平苔癬、乳頭種、口腔カンジダ症など白色病変や紅板症との見分けがつきにくく、鑑別診断が必要となります。また、潰瘍性病変では副腎皮質ステロイド軟膏を塗布したり義歯調整をしたりします。2週間しても消失しない場合はがんの疑いがあるので、くわしい検査が必要です。
そのため、診察から2週間以降で一度確認をさせていただきます。

 
・そのほかの口腔粘膜症例
今回のクイズの症例は口腔粘膜に生じた病変です。
Aは口底がん、Bは顎下腺内唾石症で、左側の口底部の腫脹している部位は骨のような硬さの塊が触れ、唾石であることがわかりました。Cはガマ腫で、軟組織に生じた唾液腺由来の貯留嚢胞です。写真のように病変部がガマガエルの咽頭嚢に似ていることから“ガマ腫”とよばれるようになったそうです。ガマ腫は腫瘍の“腫”の字がありますが嚢胞です。口腔粘膜そのものの病変でなくても、病変が透けて見えたり炎症が波及したりするといった症状が波及したりするといった症状が出現することがあります。
 

・これは悪性腫瘍でしょうか?

こちらの写真は唾液腺由来の線様嚢胞癌でした。病変は膨隆していますが、口腔粘膜に異常所見は認められませんでした。このように口腔粘膜は正常でも、その下の唾液腺に悪性腫瘍が見られることもあります。
口腔がんも早期発見、早期治療が大切です。前述のとおり、早期がんは無自覚で進むことがあるので歯科治療ごと、定期検診ごとに口腔内診査をおこない口腔粘膜の状態を確認し、異常が認められたらすぐに歯科医師にご報告ください。

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高齢者の方の栄養とお口の中

 最近Hさんは歯が締め付けられている感じがして上手く食事がとれません。
どうにかなりませんか?というお悩みをお持ちでした。
その他にも全身状態でお悩みを教えていただきました。
・顔色がくすんでいて黄色っぽい
・手の爪が白く、少し反り返っている
・肌がカサカサしている
・全体的に痩せている

今回はこれらの原因や解決法について詳しくご紹介させていただきます。

【目次】
・Hさんのこれからの食事と必要な栄養素
・爪の色と反り返っている原因
・肌のカサつきの原因と解決方法
・痩せと身体への影響
・今後のまとめ
 
・Hさんのこれからの食事と必要な栄養素
独居高齢者の摂取食品は一般家庭の約3分の1と少なく、栄養不足や栄養偏向になりやすいと言われています。活動の源となる3大栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質)とともにビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂取することは、高齢者の健康を維持すること、合併する疾病の進行防止のために大切です。
〈家族と同居の方〉
・家族を含めた食事の状況を見直す機会をもつ
・環境面を変える(食事の時間帯をずらしたり、外食の機会をもつなど)
・咀嚼と嚥下をしやすくする調理方法をおこなう
〈独居:家族や知人の訪問あり〉
・協力を仰いで「食事の作り置きをして冷凍保存する」「保存がきく食品をおいておく」
〈独居;介護サービスを利用〉
・ケアマネージャーに栄養状態などを情報提供し、食事環境を整えていただく
 
噛む機能がすこし低下している方には“咀嚼することを促す”目的で、例えばハンバーグに小さめのレンコンやリンゴなどの季節の食材を混ぜて噛み応えがあるように調理する方法などがあります。
 

・爪の色と反り返っている原因
高齢者に不足しがちな鉄は赤血球中のヘモグロビン合成に必須であり、慢性的に鉄が不足した食生活を続けると赤血球数が低下し、顔色がくすんだ黄色っぽい色、爪が青白い色に、貧血になることがあります。貧血は体内の酸素が足りていない状態であり、悪化すると爪の中央がすこしへこんで反り返った状態を呈することがあります。また、鉄を効率よく吸収するためにはビタミンCも必要ですので、鉄だけでなく果物などに含まれるビタミン摂取不足も疑われます
 
・肌のカサつきの原因と解決方法
肌がガサガサしている場合、脱水がないかを考えます。脱水状態では皮膚や口唇、口の中が乾燥し、爪を押したときに白っぽく変色したものがすぐに元に戻らないことがあります。血流が良くなく、手足などの末端が冷えていることもあります。高齢者では体内の水分量が減少しているので、水分摂取が不十分だと比較的簡単に脱水に陥り、かつ自覚症状に乏しいことが多いです。
 
・痩せと身体への影響
高齢者は元気な方であっても年齢とともに脂肪の割合が増加し、それ以外の筋肉、骨格(除脂肪体重)の割合が減少します。このような生理的変化に栄養を摂れない状態が続くと、糖を新生するために体内で筋タンパクが消費されます。また、エネルギーを補うために体脂肪も分解されるため、体重減少が進みやすくなります。
高齢者の低栄養の症状で最もわかりやすいのが体重減少です。
 
        
ここ最近2週間以内に2%、6ヶ月以内に10%以上の体重減少があると栄養不足を疑います
ご家族の方でこのような体重の減少がある場合は歯科医院でも教えてください。

 
・今後のまとめ
病院への受診を勧める目安としては、急速に低栄養状態に陥った場合や低栄養からの回復に時間がかかっている場合です。高齢者は実年齢が同じでも、消化管などの生理機能、日常の身体活動量やストレスなどによって必要な栄養量が異なるため、体重を基本として以下の2点を目安にすると良いでしょう。

  • 数週間などの短期間で急激に体重が減少している
  • BMIが18.5未満である

 
低栄養は嚥下障害による誤嚥性肺炎などの急性感染症、がんや慢性疾患(呼吸・腎・肝不全)、骨折や手術などの侵襲によっても生じます。
Hさんはこれらの食事や脱水、貧血や体重の変化について詳しく説明を行い、生活習慣についても定期的にお話するようにしました。最初のお悩みであった“歯が締め付けられる感じ”の原因は重度の歯周病による歯肉の腫脹が原因のひとつでした。Hさんはリウマチによる関節の変形で歯みがきが上手くできていなかったこともあり、お口の中にはプラークが溜まっておりました。この解決法については、短い間隔で歯科医院にてクリーニングを行ったり、電動歯ブラシやヘッドの大きい歯ブラシを使って広い範囲のブラッシングを簡単にできるようにご提案しました。

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リグロスの成分と使い方

【目次】
1リグロスの内容物
2リグロスの禁忌症・安全性
3リグロスの臨床効果
4リグロスの基本的な使い方
 
1リグロスの内容物
リグロスの有効成分であるトラフェルミンは、遺伝子組み換え技術により製造したヒトリコンビナントFGF-2であり、製剤由来の感染リスクはありません。リグロス応用時には凍結乾燥品内のトラフェルミンを溶解液であるHPCと混合して使用します。HPCは投与時の液垂れを防止し、かつ多様な歯槽骨の欠損形態に対応するため、基剤として用いられていますが、HPC自体に足場としての機能はありません。リグロスの使用期限は2~8℃の保存で3年です。
 
2リグロスの禁忌症・安全性
リグロスは「本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者」ならびに「口腔内に悪性腫瘍のある患者又はその既往症のある患者」への投与は禁忌とされています。FGF-2は細胞増殖に有意に働くか、がん細胞においてはその増殖ならびに遊走能を促進させ、腫瘍形成能をもちます。
非腫瘍細胞のがん化作用は確認されていないが、現在では重要な潜在的リスクとして使用成績調査をさらに行っています。また、妊産婦や小児への安全性については確認されていません。
承認時の審査において、約0.7%に副作用が認められました。内訳としては適用部位における歯肉白色化、歯肉紅斑、歯肉腫脹および頭痛が各1例(0.2%)でした。それらの副作用は、いずれも洗浄または経過観察のみで1~2週間後に回復しました。また、血清トラフェルミン濃度は、登録前検査および投与前の値と同程度に推移し、内在性FGF-2の濃度範囲を超えるものではないと考えられます。

 
3臨床効果
新生歯槽骨の増加量は、両群とも術後36週にわたるまで経時的な増加傾向が認められ、36週で対照EMD群と比較してリグロス群で有意に高い値を示しました。
 
4リグロスの基本的な使い方
1適応症・術前検査
リグロスの適応は、歯周ポケットの深さが3mm以上の垂直性骨欠損がある部位です。比較的浅い骨欠損や根分岐部病変にも使用でき、従来の歯周組織再生療法の適応より広くなっています。
 
歯周外科治療を行うにあたっては、①患者への説明が行われ同意が得られていること、②患者の全身状態がよいこと、③喫煙していないこと、という条件を満たしている必要があります。
また、炎症が残っている状態で歯周外科を行うと術中の出血や術後の治癒に問題が生じやすいため、歯周基本治療中に炎症を十分に軽減しておく必要があります。
これらの条件に加えて、術前診査としてレントゲン検査、歯周ポケット検査、ボーンサウンディングなどを参考にリグロスを行うかどうかを総合的に判断します。また、歯周組織の3次元的構造を把握するためにコーンビームCT検査を行うこともあります。

2術式
1)切開・剥離
麻酔を通常より多めに行った後、歯肉溝の切開を加えて歯茎を剥離します。
2)デブライドメントおよびリグロスの応用
歯槽骨の欠損している部分の不良肉芽を取り除きます。および、スケーリング・ルートプレーニングを行い、根面のプラーク、歯石および病的セメント質を除去します。投与部位は生理食塩水で十分に洗浄し、根面に血液ならびに感染物の付着がないように注意します。
リグロス応用時には2種類の液体を混ぜ合わせて使います。リグロスは欠損している底の部分を起点にして歯槽骨欠損部を満たす量を塗布します。
3)縫合
切開した部分の歯茎を縫合します。ポイントは歯間部を歯肉弁で完全に覆い、隙間なく緊密に密着させます。
4)術後管理
術後の管理方法や抜糸の時期は親知らずや、通常のフラップ手術の場合と同様です。
術後は翌日の消毒と、1週間~10日後の糸取りを行います。術後のブラッシングについては糸を取るまでの間はご自身での手術部位に対してのブラッシングは控えていただきます。プラークが付着している部分は歯科医院にてクリーニングを行います。
 
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症状が現れていないむし歯

 
【目次】
・うちの子はいままで虫歯を指摘されたことはないので、今回学校検診で「CO」と言われて非常にショックを受けています。そもそも「CO」って何なのですか?
・わかりました。お願い致します。
・歯を削るのですか?この子は歯を削るなんて初めてです。大丈夫ですか?
・では、お願いいたします。
・まとめ 

・うちの子はいままで虫歯を指摘されたことはないので、今回学校検診で「CO」と言われて非常にショックを受けています。そもそも「CO」って何なのですか?
「CO」とは目で見て虫歯による大きな穴は開いていないが、将来進行して穴が開く可能性がある状態なので、経過観察が必要だということです。ただ、学校検診では目で見るだけなので虫歯の疑いがある場合は歯科医院でレントゲン写真を撮るなどして、詳しく調べてくださいということなのです。これから奥歯のレントゲン写真を撮らせていただきますが、よろしいですか?
 
・わかりました。お願い致します。
左の奥歯の溝に黒く色がついています。見ただけでは穴は開いていません。ただ、今撮らせていただいたレントゲン写真では歯の中にしっかりした黒い影があります。虫歯は歯の中で進行しますから、この状態を止めるためにも虫歯の部分を削って埋める必要があります。虫歯は入り口が狭く、中で広がりますから、目で見ただけでは大きさがわからないことが多いのです。
・歯を削るのですか?この子は歯を削るなんて初めてです。大丈夫ですか?
むし歯が内部に進んでいますから、このまま放置することはお勧めしません。虫歯が進んで神経まで達したら強い痛みが出ますし、処置も大変です。
今はまだしみたりするなどの自覚症状がありませんから、麻酔をしないで虫歯の部分を注意深く削ってみます。
虫歯の部分をすべて取り切れればそのまま詰めて完了です。ただ、削るときの痛みが強い場合は虫歯の穴の中に虫歯の進行を止める薬をつけて蓋をし、3ヶ月程経過をみてから再度虫歯の部分を削って取る方法もあります。

・では、お願いいたします。
(患児に向かって)これから歯を削るけど、痛みがあるときは手で合図してください。
その後、無事痛みもなく虫歯を取りきることができました。
(患児とその保護者の方に向かって)中をみてみると、これだけの穴が開いていました。
虫歯の部分はすべて取れましたからこれからこの穴を埋めます。
そして白いつめもので虫歯の部分は修復して治療がおわりました。
 

・まとめ
新年度が始まると、学校歯科検診があります。今回は「CO」という明らかなむし歯はないが、虫歯の疑いがあるという歯について検査を行い、治療をしました。上から見ただけではわからない虫歯もレントゲンを撮って確認すると、なかで虫歯が広がっているということがよくあります。「CO」という診断がある場合は、一度かかりつけの歯科にかかって確認してみましょう!
小学生や中学生の頃は永久歯が生え始めて間もなく、磨きにくいことが原因で奥歯が虫歯になりやすいです。ぜひ奥歯を中心に定期的にお口全体のチェックとクリーニングを続けていきましょう。

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